「被害復旧後、検索順位は戻るのか」、この数年こうした質問をされる方は減りました。
元々筆者は経営コンサルタントとして働いていましたので、SEOの劇薬っぷりはよくよく承知しております。
同時に「SEO依存=Google依存」の結果、アルゴリズムのアップデートに引っかかり破綻するという事例についても見聞きしてきました。
こうしたリスクが周知され、webコンサルタントのみならず、経営コンサルタント・web制作者界隈でもSEO依存の風潮は薄れてきているように思います。
ただ、当社では年間500から600の復旧を行いますが、現在でも年に1件くらいはこうした方がいらっしゃるので、ここで明確にしておきたいと思います。
改ざん被害復旧後、検索順位は戻るのか
多くは不正コンテンツの読出しによって不正ページが数千数万とインデックスされるケースですが、復旧後基本的には戻っていきます。
ただ、いわば「詐欺ページが数千数万あるサイト」と評価された後の話ですから、今日明日で戻るわけではありません。
詐欺ページの中に本来のコンテンツは埋もれ、全体の1%、あるいは0.1%しか占めないコンテンツ群になるからです。
また復旧により多数のこれら不正ページは404となります。
今度は404だらけのサイトという評価を受けるわけです。
これらのページが存在しない、ということがきちんと認識され、改めて本来のコンテンツが評価を得る、こうした流れがあるわけです。
同時にそれはGoogleの胸先三寸であり、セキュリティ会社が関与できるものではありません。
Googleは一私企業であり、検索エンジンにどのページをどういう順位で表示させるかはGoogleが決めるのです。
そしてそれは、ごく一般論としても検索ユーザーとGoogle両者の利益になるかどうかで決まるものです。
たとえば「SEO用に作った大量の類似ページ」が検索ユーザーとGoogle両者の利益になるかと言えばなりません。
サイトオーナーのみの利益にしかなりませんから、検索ユーザーからもGoogleからも大した評価を得られないのは致し方ないことです。
検索ユーザーに良質な体験をさせることで検索回数も伸び、広告媒体としての価値が上がります。
これがGoogleの利益になるわけで、当然ここを主眼としたコンテンツが必要になるわけです。
旧来の「SEO対策」はテクニカルではなくただのハックで、瞬間最大風速にしかならないものです。
順位の戻らないページがある
筆者はSEOの専門家ではないのですが、順位の戻らないページがある、とご相談がある場合、たいていは素人目に見ても前述のような検索ユーザーとGoogle両者の利益に結び付かないコンテンツであることがほとんどです。
それでも、評価はともかくインデックスから消えないままのページも多くあり、消えなかっただけラッキーだと思っています。
また、冒頭で述べた通りこうしたケースはこの数年全く見なくなりました。
多くの制作者や運用者、そしてコンサルタントの皆さんが、正しい知識を身に着け、リスクを分散し、より本質的かつ高い価値観で有益なコンテンツを生み出していらっしゃることの証です。
誰の責任なの?
さて、被害が起き、順位が動き、あるいは売上にも響いているかもしれません。
誰の責任でしょうか?
もちろん、「攻撃者」の責任です。
我が国において不正アクセスは法に違反する行為であり、当然その責を負うべきです。
では運用者には全く非はないのでしょうか?
経産省の「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」によれば、こうです。
経営者が適切なセキュリティ投資を行わずに社会に対して損害を与えてしまった場合、社会からリスク対応の是非、さらには経営責任や法的責任が問われる可能性がある。
サイバー攻撃が避けられないリスクとなっている現状において、経営戦略としてのセキュリティ投資は必要不可欠かつ経営者としての責務である。
実のところ、きちんとしたセキュリティ体制が取られていたかどうかは経営者の責任になります。
つまり、サイトオーナーの責任ということです。
例えばサーバー内に保存されている個人情報等はユーザーから預かった情報資産ということになります。
鍵を開け放して、あるいは簡易的な鍵しかかけずそれをリスクにさらした場合、あるいは漏洩した場合、経営者はその責任を負う、ということになります。
個人情報保護委員会では、漏洩時のみならず、「おそれがある場合」にも通報するよう呼び掛けており、実際これを基準として企業は情報公開を行っています。
こうしたことをないがしろにし、自社の検索順位や利益しか見ていない、自社が誰かに被害を与えたかもしれないという視点を持てない経営者、コンサルタント、制作会社を見ることがなくなったのは、この数年のことです。
当社はセキュリティ会社です
さて、改ざん被害によりwebサイトが大きく検索順位を落とすということ自体は珍しくなく、当然ですらあります。
よって当社はセキュリティ会社としてその真因たる被害を復旧し、再発を防止します。
これは多くのユーザーのためでもあります。
大抵の場合、乗っ取られたwebサイトはフィッシング詐欺等の悪用がなされており、悪意のない一般ユーザーがその被害に遭う可能性があります。
正しく復旧することで、あなたは加害者にならずに済むかもしれません。
ただし、当然復旧後の順位を保証するものではありません。
再評価を得るにあたって、正しく再評価を受けられるようにクリーンな状態を作るのが私たちの仕事です。
検索順位がどうなるかはGoogle次第であり、当社ができることは何もありません。
Googleの検索順位はGoogleが決めるからです。
ただ、真因がきちんと改善されない限りあなたのwebサイトが正しく評価されることは二度とありません。
速やかに復旧し、正常な状態を取り戻し、検索エンジンやユーザーの信頼を取り戻す、この最初かつ重要な一歩を、私たちはサービスとしてご提供しています。
カテゴリ:セキュリティ
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ランサムウェア被害について、当社では原則復旧できません